子供は国の宝

5月23日、子供に対する放射線量20mSv/年という基準の撤回を要請する行動が文科省で行われました。
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/nuclear/news/20110524k0000m040106000c.html


以下はその基準に対する原子力安全委員会の考え方です。
低線量放射線の健康影響について   http://www.nsc.go.jp/info/20110520.html

低線量放射線の健康影響について

平成23年5月20日
原子力安全委員会事務局

標記に関する原子力安全委員会の考え方について説明いたします。
 放射線の健康影響は、「確定的影響」と「確率的影響」に分類されます。

 「確定的影響」は、比較的高い線量を短時間に受けた場合に現れる身体影響で、ある線量(閾値)を超えると現れるとされています。比較的低い線量で現れる確定的影響として、男性の一時不妊閾値は0.15Gy、ガンマ線で150mSv相当)や、リンパ球の減少(閾値は0.5Gy、ガンマ線で500mSv相当)があります。100mSv以下では確定的影響は現れないと考えられます。

 一方、「確率的影響」には、被ばくから一定の期間を経た後にある確率で、固形がん、白血病等を発症することが含まれます。がんのリスクの評価は、疫学的手法によるものが基礎となっています。広島や長崎で原子爆弾に起因する放射線を受けた方々の追跡調査の結果からは、100mSvを超える被ばく線量では被ばく量とその影響の発生率との間に比例性があると認められております。一方、100mSv以下の被ばく線量では、がんリスクが見込まれるものの、統計的な不確かさが大きく疫学的手法によってがん等の確率的影響のリスクを直接明らかに示すことはできない、とされております。このように、100mSv以下の被ばく線量による確率的影響の存在は見込まれるものの不確かさがあります。

 そこでICRPは、100mSv以下の被ばく線量域を含め、線量とその影響の発生率に比例関係があるというモデルに基づいて放射線防護を行うことを推奨しております。また、このモデルに基づく全世代を通じたがんのリスク係数を示しております。それは100mSvあたり0.0055(100mSvの被ばくはがん死亡のリスクを0.55%上乗せする。)に相当します。

 2009年の日本人のがん死亡率は約20%(がん罹患率(2005年)は約50%)で、年々変動しております。また、地域毎、がんの種別毎のがん死亡率の変動もあります。100mSvの被ばくによるがん死亡率は、その変動の範囲の中にあるとも言えます。

出典 : ICRP Publ.103 国際放射線防護委員会の2007年勧告 国際放射線防護委員会
     放射線と線源の影響 2000年報告書、原子放射線の影響に関する国連科学委員会
     放射線と線源の影響 2006年報告書、原子放射線の影響に関する国連科学委員会
     がんの統計'10 (財)がん研究振興財団


いつから私たちは、「子は国の宝」という価値観を失ってしまったのだろう…私が子供の頃は確かにあったように思います。
この文書をもとに、文科省は子供たちの基準を20mSv/年と決めました。
この基準はほぼ外部被曝の基準で、内部被曝は含まれていないし、子供の放射能に対する感受性も考慮されてない数値です。
0才児は30才の4倍、55才の79倍の感受性を持つ*1
また外部被曝内部被曝の比率は外部:内部=1:2〜4倍の割合で高い*2という。もし外部被曝が20mSv/年だったとしたら、内部被曝は40〜80mSv/年。20と多いほうの80プラスして100mSv/年になる。
子供に対しても、大人と同じ基準である。お子さんや妊婦さんのお腹にいる赤ちゃんは細胞分裂が盛んなため感受性が高い。性別や個体差を考え合わせても、20mSv/年は高すぎることがわかります。
福島から遠く離れた首都圏のある市では学校給食に福島県産の野菜を使った給食が出ていると聞きました。大人はともかく子供に食べさせるものだけは守りたい。
こういうのを風評被害というのかもしれませんが、実は実害をもみ消している言葉のレトリックのように思えてなりません。
私は20mSv/年にしておくことによって、他の地域にも被害が及び決して福島の人たちだけの問題じゃないんだと認識しました。
原子力安全委員会の人にも子供や孫がいるだろう。そして文科省の高木大臣にも。あなた方は何を守ろうとしているのですか?考えたくないけど子供たちを原発事故の被害者、サンプルにするつもりなのでしょうか?

私は将来の日本を担っていく子供たちの未来を憂いています。子供たちは日本の宝です。それを子供たちにしっかりと伝えたい・・・
どうか、文科省が決めた20mSv/年という数値を撤回してください。お願いします。


なんで他の国の人から教えてもらわなければならないのか、情けない限りです。

  • 脚注をつけた動画の場所で私は話を聴いてきました。あの動画を見ると勇気が湧いてきます。後半の藤村さんの放射能から子供たちをどのように守るかという話には希望が持てます!今やらなければならないことの答えがあります。