映画「ジェニンの心」を見てきました!

ストーリーは・・・
パレスチナの少年がイスラエル兵に撃たれ脳死状態に。
父親は悩んだ末、息子の臓器を移植を待っている子供たちに提供することを決意。臓器移植される子供たちはイスラエル人だった。1年半後この父親は難民キャンプのフェンスを超え息子の臓器によって命を救われた子供たちに会いに行く。愛する者の犠牲に平和への願いを託した父親を追うドキュメント映画。ジェニンはパレスチナの地名。

歴史的背景は勉強不足だが、今ある現状はこの映画をみて理解できた。イスラエルにはユダヤ人の他、アラブ系の人が難民にならずに住み続けている人(パレスチナ人)、アラブ系の遊牧民ドゥルーズイスラム教の中でも独自のある宗教共同体の人々)がいる。少年の臓器を移植された子供たちとその家族として登場する。

少年の父親はイスラエルに住み続けている兄と一緒に息子の臓器で救われた子供たちに会いに行き感謝され歓迎された。だが、ユダヤ人の家族は子供の命の恩人で感謝はしてたが歓迎はしてなかった。少年の父親はユダヤ人家族に会いに行っても、相手が嫌な思いをするだろうと予想していたし、移植された子供の父親も同じように思っていた。しかしユダヤ人の子供の家に行くことにした。ユダヤ人の父親のほうは「なぜパレスチナ人がイスラエル人に臓器提供したのか」理解できないようだった。映像でも、目を合わせて話せなかったり、その場のギクシャクした空気が問題の複雑さを物語っていた。

私はパレスチナイスラエルの情勢について詳しくないが2008年に起こったガザ空爆に心を痛めていた。どうしてそんなことをしなければならないのか、日本は今のところ戦争はないし平和だ。(北朝鮮の脅威はあるが。)遠く離れた中東情勢はいつも不安定で、武力に頼らない外交努力でパレスチナイスラエルの関係を和平に導くことはできないものかと思っていた。

今回の上映会は、千葉のNGOのマルハバ!パレスチナによって上映権を獲得。上映後、ピースボートの活動が紹介された。以前はパレスチナピースボートの船が行くことができたが、今はヨルダンの港から難民キャンプで色々話を聞いたり、ホームステイしているとのこと。今度の出航ではたくさんのパレスチナ人とイスラエル人が乗船して話し合いを実現させるそうだ。

映画の中で息子の父親は「平和と権利を望んでいるだけ」と言っていた。
武力は町を破壊し、悲しみや憎しみを生む。暴力の応酬は憎しみの連鎖を生む。息子の臓器を提供した父親は、この憎しみの連鎖を断ち切る1つのアクションを起こしたのだと思う。
お互いの不信を解消するには、相手を知ることから始まると思う。今度のピースボートでの船旅で、お互いに歩み寄り、和平に向けて名も無き一市民たちが草の根で行動を起こす事は、政治的な和平交渉よりも実行性があるのではないか。
平和であることは幸せであることの1つの要素であると思う。紛争地域の人からみれば、きっと空爆で殺される心配をしなくてすむ日本は理想的な国だろう。しかしながら、今の日本は北朝鮮や中国に対する不信から武力を強化しようとしている。日本人は紛争地域の人々が望むものを持っているのに、日本はそれを手放そうとしているように思えてならない。
私達、日本人は彼らから学ぶべきではないだろうか。


マルハバ!パレスチナhttp://marupale.blog134.fc2.com/
ピースボートhttp://www.pbcruise.jp/index.html