患者とその家族 その1

病院で仕事をしていると、いろいろな患者様とその家族に出会う。
大声で怒鳴っている男性の声が聞こえた。
クレームか何かで怒っているのかとコワゴワ覗いてみたら、息子が70〜80歳代の父親を感情的に怒鳴りつけていた。

病院は喜怒哀楽が表に出やすい場所だ

息子にしてみれば、子供の頃の父親のイメージがある。
そこにいる父親である老人は、その頃の面影をすっかり失っている。
子供にとって親の「老い」を見せられるのは、悲しくも、寂しくもある。
この息子は、親の老いを目の当たりにして戸惑ったのだろう。
しかし、いつかはそういう時がやってくる。そして、自分にもいずれ・・・。


日本は核家族化の影響で「老い」や「死」という存在が遠くなっている。

生きることはみっともない。
しかし、そんな状態になっても、いのちを輝かせることができる。

きっと当の本人は感じてないだろうが、かかわっている人々に何かを与えている。
私は父の看病を通して、そんなことを感じた。

親は人生の先輩・・・親の老いを直視することが自分の老いの準備になると思う。