人生の最期
私の勤めている病院の院長先生が亡くなった。
18日月曜日、通勤途中の駅で倒れて、駅近くの大学病院に搬送された。
翌朝、脳出血で意識が戻らずそのまま逝ってしまった。
先生は85歳。倒れるまで患者さんを診つづけた現役の先生であった。
ご家族も仕事に行くとき「いってらっしゃい!」と見送って、そのまま名残を惜しむこともなく天国に行ってしまったのだからさぞかしお淋しいことだろう。
でも、みんなが願う「ポックリ逝くこと」と「生涯現役!」の両方をやってのけたんだからスゴイ。
「あっぱれ!!!」と言いたい。
先生の場合、手術するという方法もあったが、手術して助かっても植物状態だと言われたそうだ。
医療が発達して、昔なら救えなかった命も救えるようになった。
患者が意識不明になったり、認知症になったりして患者本人が決断できない場合、難しい判断をするのは家族だ。
例えば、75歳で心臓ペースメーカーを体に入れるかどうか。
ペースメーカーを入れることによって劇的にQOLがよくなる人もいれば、
「ペースメーカーを入れないほうが良かった」という人もいる。
生まれてきた以上、いつか死ぬ。
たとえペースメーカーで心臓を刺激し続けたとしても、心臓の動きが悪くなったり、呼吸が止まったり、脳が働かなくなったり・・・死ぬ原因はいろいろある。
日本では「死」を忌み嫌う感じがある。しかし誰しも通る道である。
元気なうちに人生の最期について、話し合っておくと良いと思う。
。。。。。。先生のご冥福をお祈りいたします。。。。。。